人を救いたがる心理②

知り合いのカウンセラーに悲しみを持っている相談者に対しどうするか聞いてみると、背中をさするという。

こういうやり方に対しブリーフセラピー専門の森俊夫東大教授は、暗すぎると言っています。

私だったら、事の次第(運命的になぜそうなったか)を話しもっと泣きなさいと言い、悲しみから解放されるように仕向けます。

ただし、相談者本人の場合は有効ですが、間接相談者の場合は効果がありません。

 

自然に感じる共感のシンパシー、この感じ方に性差、タイプによる差があります。

養老孟子氏は中学生の時に父親を亡くし、泣いたのは40代になってから、女性はその場で感情を出しますが、男の場合は感情でなく全体を把握できてから泣きます。

私が母親を亡くして突然泣いたのは3か月後、2回目は20数年後、数十人の授業中にやはり突然でした。

感情が堰を切ったという感じでした。

男性で悩みを聞くのがうまいというタイプは料理も苦にならないという女性的タイプで話は聞けますが、アドバイス向きではありません。

こういうタイプが自分はカウンセラー向きだと自己判断しても理論背景をしっかり勉強しないと私的な関係のみの場合はいいですが、これだけではプロには不向きです。

しかし、女性的な人でも問題意識がなく深く考えないタイプは、心理学を専攻し理論背景もしっかり学んでいても、できない人もいます。

 

タイプ別では「肥満タイプ」は、その場で共感する事は得意ですが、論理性に弱く「やせ型」は心では思っていても気持ちを表に出せないので何を考えているかわかりません、しかし心ではしっかり考えています。

「骨太型」は感情を理解する事には向いていません。

 

※こういう様な事情の中で「共感が大事です」で終わりのカウンセリング講座は意味がありません。

 

男性相談者は悲しみは悲しみとして解決を志向しますが、女性相談者は対策はともかく心情を理解してほしいという事が先決になります。

こういう場合は,「お慰みする事はできませんので」といい、先述の様に何故こういう状況になったのかを運命的に説明する事で、ひとまず泣いていただきます。

これができるのは状況を理解できる占い師だけです。

 

古典的カウンセリングでは受容や共感に関しては神経質で道徳的な考え方が支配し、この事に価値観を置く人達が多くいます。

また、こういう考え方をあおる専門家?もいますがブリーフセミナーではアバウトで良いといっています。

カタルシス効果も一時的な効果と悲しみに焦点を当てると哀しみばかりが膨らみポジテイブには成れません

 

精神医学では共感力が高い人は「依存性パーソナリティ障害」。

特定の人にのみ偏って共感すると結果、公平でなくなり反道徳的になるという実験があり。

共感的でないという事は冷静客観的な判断をすることができるという事です。

博愛主義者といわれるアインシュタイン、私生活面では不倫をし、気むつかしい人だった。

ガンジーやマザーテレサは周囲や家族に対しては冷淡で残酷だった。(「スピリチュアルズ」)

 

相談者に寄り添い相談者と一体になれば解決する?という旧来の精神論的カウセリングに依存する限り解決策は出てきません。

ロジャースの提唱する「来談者中心療法」も本人のビデオを見ると、言っている事と、している事は全く違います。

「大事なことは、教わった通リにやるのではなく、好きにやればいい」(「ブリーフセラピーの極意」)

ただし、まじめな人たち「エゴグラムでACのの高い人」はこういう考え方はできません。

効果のない方法を、絶対的なよりどころとして「金科玉条のごとく」守ります。

結果、10年間カウンセリングに取り組んでも効果がなかったという事に終わります。

これがカウンセリングの世界です。

 

離婚していないからうまく言っていると単純に思ってる人がいますが、ある有名な生物学者が、テレビで、

離婚したかったけど忙しくてその暇がなかったと公言していました。

相性が合わなくとも主人が出張が多くて「すれ違いの生活」で人生終わったという例もあります。

「仮面夫婦は40%」いるといわれています。

 

人を救いたがる心理③