心理のゲーム②

人間関係で繰り返される、心理的な葛藤を解説しています。

 ⇒前ページからの続きです。

 

精神療法(だれも私を治せない)(他人依存)                    

患者が、誰も自分をせない事を証明するために無能な治療者を求めて転々とし、治療者をやり込める行為。

自他否定「あなたをなんとかしたい」(後述)というタイプの治療者と対立する。

 

診察室のゲーム (Consulting Room Games )

これは心理療法の場で行われる一連のゲームで医者やカウンセラーが治療にこり過ぎたり

心理療法の訓練中に同じミスをおかしたり、他方で患者が心理療法によって自分のニーズを満たしたりするものです。 

非生産的な形の治療関係が続く場合といえます。

 

あなたを何とかしてあげたいと思っているだけなんだ(治療気狂い)
 I'm Only Trying to Help You

これは、きわめて干渉がましい(治療キチガイ的な)治療者と、どんなにたゆまずに助言が提言されても、

それを受け入れまいとする患者との間で演じられるゲームである。

 
治療者は患者に感謝の念がないことに当惑するが、その半面自分の罪悪感を軽減することもできるのである。 
日常生活では、他人の問題に不必要に立ち入る「お節介やき」がこの例となろう。
これは、患者の挑発にのってしまって自分の実力以上の相談を引きうけたり、カウンセリングを引きうけたり、医療を引きうけたりして、なかなかうまくいかない。

 

患者の抵抗にあってうまくいかない。 
「先生、ちっともうまくいかないじゃないですか」と言われて、

「私はあなたを助けてあげようとしただけなのに」「感謝の念がない」と言って治療者も怒り出すという筋書きで進行します。

特に精神衛生の臨床家が陥り易いゲームだと言われています。

 

「お節介やき」の教師が演じるゲーム。
教師は親身になって生徒の役に立とうとする。
遅れたレポートの大半を教師が書いたり、生徒を自分の下宿に泊まらせて宿題をみて
やったりする。

しかし結末で、感謝を欠く生徒の姿を見て教師は頭をかしげる。

  

田舎者(教祖と信者)Peasant
このゲームは、ふつう大学病院の医師や、著名な治療者と純朴な患者との間で演じられる。

 

患者は偉い先生に診てもらったというだけで感謝にあふれ、他方治療者も患者の無邪気な賞賛に自己愛が

満たされる。 

しかし、両者とも病気のほうは、ほとんど治っていない事実には気づいていないのである。 

プレーヤーがあるタイプの女性の場合、両者は親密な関係に陥り「ラポ」(誘惑)のゲームへと進展する事がある。

 

苦労性

(こんなに無理をしているのに)

(自己折檻)自分の能力以上に、無理(過剰保証)をして、過大な責任を背負い複数の役割や仕事を引き受け、結果的に人に迷惑をかける。

 

本心(批判的)表面上の気持ち(やらねば)の違いが事態をこじらせる。      
批判的、完全主義的、仕事中毒、凝り性の人。

 

自分を駆り立て、無理を重ね、物事に熱中し自分を追い込み疲労困憊する。   

幼少期の要求水準(期待度の高い親子関係)によって形成された完全主義、強迫観念が影響している。

何をやっても満足感が得られない。

うつ病・偏頭痛・筋痛症・胃潰瘍などになりやすいので注意が必要。 

 

泥棒に追銭(負債者と同情者)

情の深い人と、借金上手の関係、貸し手は、愛情を与える代理満足を得る。          

 

金銭的に何度も被害にあいながら頼まれると何度もお金を貸してしまう人。

貸す事がやられない自分にも怒りを持つ人のゲーム。

貸しても、貸さなくても罪悪感を味合わされる。

 

負債者

(取れるものなら取ってみよ)
借金を重ねて一生返済に追われる。

貸し主との攻防スリルを展開。

 

憐れな私

(犠牲者、誰か私を救って)
もしかしたら、哀れな自分を救ってくれる「救助者」が現れてくれるかもしれないと
期待「犠牲者」に

身を置き続るが、解決策は避けつづける。

 

不幸な私(惨めな私)
大騒ぎに比べ地味で消極的で同情を誘う。

哀れっぽい、愚痴やため息、自分は生い立ちの犠牲者、

自己憐憫(れんびん、哀れみ)と他者羨望、

不幸な私を演じ裏にプライドと同情を拒む頑固さが潜む。

 

大騒ぎ

(ひどいもんだ、悲劇の主人公)
自分の不幸や苦痛を「こんなにひどい状況だ」と周囲に大げさにアピールする事で、

他人の同情や関心を集めようとするゲームである。

 

人からの特別扱いを期待している。

アダルトチルドレンに多い、機能不全家族の中で育ち、大人になっても、その時のトラウマから抜けられない、さまざまな心理的ゆがみを持っている。

 

問題を具体的に解決する行動は避けて「自分がどれだけ酷い状況にあるか」を訴えて大騒ぎする。

病気の症状や苦しみを利用して「社会的な責任」を逃れたり「他者の支援、同情」を引き出したりするが、

大袈裟な人、狼少年」と、最終的には誰からも相手にされなくなる事もい。

 

本来の親密な関係を経ないで、なじり合って、最後には口をきかなくなる。  

破綻、解雇、離婚等が生じると自己処罰の目的が達成され症状は無くなる。

 

劣等感コンプレックス

(私にはできない)
自分の限界、弱みの正当化、自分に出来る範囲内の事でもコンプレックスを理由に

挫折を恐れて行動しない、失敗を避け疾病へ逃避する場合もある。
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他者否定的ゲーム 
1.はい、でも   

2.あなたのせいでこうなったんだ 

3、思い込み
3.あなたをなんとかしてあげたいだけなんだ(世話やき)
4.決裂(仲間割れ)

5.あら捜し(追い詰め) 

6.ラポ(誘惑、ひじ鉄、チラリズム) 
7.さあ、とっちめてやるぞ(ヒステリー) 

8.法廷 
9、シュミレ-ル(何をしても許して)     

「シュレミール」は英語では、不運なへまなやつ,だまされやすいお人よし.

ユダヤ人の共通語イディッシュで「ドジな男」の意で民話や小話によく登場する。

彼には「ついていない男」の意の兄弟分もいる。

 

両者の定義は、「シュレミールがシュリマゼルにスープをこぼす」というイディッシュの諺で分かる。

つまり前者は自分でスープをこぼす不幸を招くが、

後者は自分とは関係ない外の力によりスープをひっかけられる不幸を体験するのだ。

 10、頭でっかち(理屈屋)

 

はい、でも

(あなたの言う通りにはしない)

(水掛け論)
解決策を求めておきながら、できない理由を並べ反論し、解決策の実践を拒み、相手に無力感を感じさせ、

怒りの挑発をする。

 

あなたのせいでこうなった

(責任転嫁)(潜在的な対人恐怖)
自分の行動やミスに対する責任を取らず、自分の非を認めず何でも他人や環境のせいに
してしまうゲーム。

 

他罰主義、責任回避が特徴。

家庭内暴力も、このゲーム。

相手の欠点や落ち度を指摘。
自分自身が、無責任な対応をする「責任転嫁(責任回避)」

 

自分のミスや短所を棚に挙げて、他人を厳しく非難する「他罰主義」とがある。
最終的には、他人に嫌われることになり、孤立する。 
上手く行ってる時は、相手に対し、丁寧な対応で、細かいことまで指示を仰ぐが、上手く行かないと、自説を
誇示し、相手の説明も聞かない。
自分の事は棚に上げて、政府、体制、社会、親、教師、批判など「他人の欠点を指摘する
ことに優れている」。
1、邪魔物を撃退するため。

2、自分の立場に自信のない人。

 

思い込み(自分の事は、棚上げ)
責任転嫁と異なり、異質な者を悪人と決めて攻撃し、同質な者は信じる。      
幼稚な理想から自己の罪意識を排除して対象を見つける。

 

「自分の欠点を認める事に抵抗」、不安やあせり、恐怖感、被害者意識がある。 
一つのことを極端に思いつめ、性急、短絡的な行動をとる。
例:モンスタ-ペアレント、スト-カ-、反社会的な宗教信者、木村佳苗、

未成熟で恐怖感があり、現実の矛盾を受け入れられず、単純、画一的な、思考に陥る。 

自分の中の愛憎、善悪の矛盾、ジレンマ、緊張と対峙しない。

 

あなたをなんとかしてあげたいだけなんだ

(おせっかい、悪女の深か情け)
弱い人や、困っている人を助けるのは当然という強い信念、自己肯定感で困っている人を見つけると

熱心に世話を焼く(先生対生徒、医者対患者)

相手は好意の押し売りとう、独善的で、根底に他者否定がある。

主に治療に携わる人が演じるゲームで、親身になって患者を救おうとしても患者は、自分に合う治療者のもとへ去っていく。(恩を仇で返す)

 

疑惑や信念が、ゆらぐ思いに浸るのがこのゲームの特徴。
治療熱心な医師と医師の無能さを証明したがっている患者との間で起こりやすいゲーム。
医師は「あなたのため(患者のため)」という大義名分を持って患者の疾患を治す為に
様々な検査・治療・投薬を行うが、患者は「効果が見られない」という抵抗を示して、それで自信が揺らいだ医師がますます「あなたのため」という事で、無意味な治療法や検査を追加し続け 悪循環に。

 相手の気持ちとずれていく、不幸な人はあまり親切にされると不安感から逃げ出そうとする。

 

治療者には「自分自身が癒されたい」という潜在心理がある。
暖かさと冷静さ(客観性)と、総合判断力が必要。

 

丸がかえ(共倒れ)
密着、熱烈で共倒れ、距離(時間)を置いたほうが効果があるが、
愛情喪失体験が原因で、殉教的な生き方をする者が展開し、お手上げに。

 

決めつけ(相手を支配する)参照「他人を攻撃せずにはいられない人」(PHP新書)

 

決裂仲間割れ)
相手を過小評価、他者否定する為に職場や家庭で演じられるゲーム。
2人が、激論の末、もの別れに終る。 

 

他人と激しく口論や争いをした後に、説得・相互理解の可能性をあきらめ「決裂のポーズ」を取り、相手を無視するというゲーム。

 

お互いに「自他否定」の基本的な構えを確認するために行うゲームであり、 相手との個人的な親密な関係に

入ることへの恐怖感が影響している事も。    

決裂のゲームは、相手を過小評価して批判したり、相手の人格を揶揄したりすることによって始められる

ことが多いが「決裂と関係の修復」を延々と繰り返すケースも見られる。

後に親密になる場合もある。

自分が、他の2人に争いを巻き起こして、自分を守る、女性によって起こされる三角関係も。

複数の他人に矛盾した情報を与えたり仲違いする様な悪口を伝達する事で、それらの他人を対立させようとするゲーム。

 

自分以外の複数の他者の間に仲間割れ(喧嘩・対立・嫌悪)を引き起こす事で「自己定・他者否定」の

基本的な構えを確認しようとしている。    

他人同士の仲が悪くなる  ような情報や悪口を吹き込んだり誰かの悪口言っている人の嫌悪感を煽り立てる

ような告げ口をしたりするのが「仲間割れ」のゲームであり、このゲームを仕  掛ける人は他人が 醜く争い

合う姿を見て「人間関係や友情は大した価値がない」という自らのネガティブな信念 を補強しようとしている。

 

あら捜しヒステリ-)
気に食わない相手のわずかな落ち度やアラ捜しをして怒りを爆発、執念深く責め立てる。
人のあげ足をとったり、ごねたり、吊るし上げるのがこのゲームの特徴。

 

上司の部下に対する陰湿ないじめ、姑の嫁の家事のやり方に対する批判、先輩の後輩に対すしごき、先生の生徒に対する説教、モンスタ-ペアレント等、「アラ探し」のゲームが繰り 返される。

 「他人はOKではない」という、他者否定の構えを確認する事で、自分を肯定しようとする 動機づけによって行われるゲームである。

他罰主義の裏にある、自虐性、自己嫌悪が隠されている場合がある。

 

ラポ(誘惑)
異性に対する敵意から、悪質な復習をしようとする。
異性支配のゲ-ム、性的に未成熟な者が、ゆがんだ方法で相手を誘惑して、豹変し被害者
側 になったり利用して、相手を翻弄したり、拒絶したり、逃げて、相手を痛めつける。

 

複雑な三角関係、離婚訴訟、自殺や他殺など犯罪にもなる。     
演技的性格の人、自己愛タイプの男性、勝ち気で男勝りの支配的女性。

 

ストッキング(チラリズム)

性的刺激で相手を翻弄する。

魅力的に振舞うことに長けている。

 

冷感症(ひじ鉄)誘惑して捨てる。

 

追い詰め(これでもか)

相手の本心(甘えたい気持ちを理解してほしい)を知りながら表面的な言葉の行き違いに終止し逃げ場をなくして、とっちめる。

 

「なぜ、私の気持ちがわからないのか」という、いら立ち、親密な交流拒絶。
他者否定の結果、相手を悪い方向に行かせてしまう。

 

さあ、とっちめてやるぞ

(ヒステリー)(詮索好き)
自己肯定、他者否定の人が、自分はあらためないで他者を攻撃する事で自分の生き
方を、これでいいと

思う。

 

法廷(仲裁役を利用)

第3者を争いに巻き込んで、自分の都合通りにしようとする、原告(生徒)裁判官(先生)、審判員(母親)の間で繰り広げられる、原告が、自分が悪いと知りながら、裁判というゲ-ムを通じ、自分の主張を勝ち取ろうとする、延々と裁判が続けられる。本人に、いつ気づかせるかが課題。

 

シュミレ-ル(すみません)
何をしても許しを乞う、ずる賢い人、何度も失敗をくり返してあやまる。

被害者は怒るか、我慢するか当惑する(アルコ-ル依存症)

 

頭でっかち(理屈屋)
出来もしないことを吹聴する。自己肯定、他人否定

 

心理ゲーム③