禁止令の呪縛が解けなくて息詰まると、自分を犠牲にする「逃避口」を求めます。
★三つの逃避口
「自殺・自傷」の逃避口
「他殺・他傷」の逃避口
「発狂」の逃避口など、密接に結びついています。
自傷の場合は、リストカット、拒食症、摂食障害、事故を繰り返す(自己処罰)等も含まれます。
この場合の禁止令は「自分であるな」他です。
※現実的には「自傷・他傷」は、日常的にあり得ます。
拒食症、摂食障害の例
母親からの禁止令に対し、拮抗禁止令が働きドライバーによって母親に認められる。
親に対し「完全で理想的な自分」になろうとしてきたが、限界がきてストッパーが働き、拒食症、摂食障害となっている。
母親に従う事で母親の期待には答えた(母親の幸福に貢献)
⇒共依存
が結果的に自分が耐え切れず、拒食症、摂食障害になっている。
自己破壊的行為は一種の自傷行為
自立できない子
母親は、子供に従わせる事で共依存関係に満足するが子供の自立性を奪い、子供は、母親から離れ自立しようともがいても、自立できない。
例:親の希望に沿って医大に入ったが自立できず、勉強を放棄した医大生。
母親は自立しようとする子を憎み、子は自立を妨げる母親を憎む様になり両者に葛藤が生じる
父親の場合もあり、時に父親を殺害する事件になることもある。
母親の指示通り従った結果
母親の教育方針に従い、学校を首席で卒業する直前、卒業代表のあいさつをする直前、万引きをした。
(一種の自傷行為)
逃避口は甘い逃げ口です。
逃避口が開いてる人は、どうにも我慢ができない事態が起こったらどれかの逃避口に逃げ込んで、自分の課題から免れようと思っています。
⇒関連ページ⓵人生態度4つのタイプ
⇒関連ページ②過労死の事例
逃避口が開いている人に安易にセラピーをするのは大変危険です。
例えば、「存在するな」の禁止令をとても強く所持していて、
その「存在するな」を「人に必要以上近づかない限り、存在していてもいい」
という拮抗禁止令でフタをした状態だったとします。
セラピーによって周囲の人と密接に、親密に近づけるように変えたとしたら、
もしかしたら、その人の隠れていた「存在するな」がアクティブになり、
自殺してしまうかもしれません。
危険性がある時には、三つの逃避口が開いているかどうかを確認します。
「○○さん?私が今からいうとおりに復唱していただいていいですか?
『私はどんなことがあろうとも自分で命を絶ったり、自らを傷つけたり事故で死んだりしません』 復唱してもらいながら、その様子を細心の注意を払って観察します。
「自殺自傷」の逃避口が開いている人は、まともに復唱ができません。
どうしても言えなかったり、言っている途中で笑い出したり、
「事故で死ぬことは人間あるかもしれません」などと反論してきて復唱しません。
またある人は、一応言うのだけども、心ここにあらずといった調子で復唱します。
そして「どうですか、ご自分に聞いてみて下さい、今の言葉は本当ですか?」と問いかけると、
「いえ、本当ではありません」と答えたり、奇妙な表情を浮かべたりして、間接的に否定します。
さて、後の二つの逃避口も、
「私はどんなことがあっても、他人を殺したり、傷つけたりしません」
(この傷つけるは、不注意な言葉でつい相手の気持ちを傷つけることは意味していません。
身体的に傷害を与えることですと説明します)
「私はどんなことがあっても、気が狂ったりしません」
という言葉を復唱してもらい、その様子を注意深く観察する事で確認します
三つの逃避口の内一つでも開いていたら逃避口を閉じることに専念するか、あるいは
深いセラピーは避けて、表面的なカウンセリングに終始します。
勿論、カウンセリングをしている内に逃避口と関係があるようなことが浮上してきたら逃避口を閉じることに全力を尽くします。
あるいはお手上げして他のセラピストに任せます。
★逃避口を閉じるときに、最も効果的なのが、
「許可すること」による禁止令を弱めるセラピーです。
「許可すること」というのは禁止令に対抗する内言です。
禁止令というのは脚本の中に存在し、自分への命令として言語的・非言語的に存在しています。
「許可すること」は言語的ですが、禁止令を弱める力が十分にあります。
「存在するな」に対しては、
「そこにいるだけでいいんだよ」
「貴方がいるだけでうれしいよ」
「貴方の事をいつも見つめているよ」
「貴方が存在している事に大きな意味があるんだよ」
などの「許可するもの」を、自分から
自分に対してメッセージします。
(※可能ならばです)
もちろんカウンセラーや親が持続的に語りかけますが、
最終的には自分から自分への「許可するもの」が必要です。
(大抵は自分では、できません)
12の禁止令にはそれぞれ対応する「許可するもの」があります。
★本人が一番癒される一番ピンと来るメッセージが、その人にとっての
「許可するもの」です。
みなさんも、自分にとって一番癒される許可するものを探してみませんか?
一番簡単な作り方は
「成功していいんだよ」
「重要人物であっていいんだよ」
「近づいていいんだよ」などといった作り方です。
「~していいんだよ」という形にするだけです。
慣れてきたら、いろんな形に変形させてみましょう。
あまりにも抵抗感のある「許可するもの」は危険です。
熟練したカウンセラーと協力して扱いましょう。
交流分析において人生脚本は大事です。