★ミニ脚本
人生脚本は長期的に人生を考える概念ですが、それに対して短期的に述べているの行動パターンが
ミニ脚本です。
人生脚本が自らの人生を物語的に計画してしまうものならば、ミニ脚本は、それを裏付けて強化していく行動のひとつひとつです。
『ミニ脚本』の基本概念となる
「拮抗禁止令」
◆強い指示をドライバーと呼び
5つに分類する事が出来る。
①急げ(後述)
②努力せよ
③強くあれ
④完全であれ
⑤私(他人を)喜ばせよ。
各々に禁止令であるストッパーが存在する。
例えばドライバーが急げ急げの場合、指示として気持ちや行動がセカセカしてしまい、ゆっくりしてはいけないという禁止令を持ってしまう。
また、指示は禁止令を強化する関係にある。
まずは禁止令が先に作られるが指示を身に付けると、自身の指示でCが身に付けた禁止令をより強化してしまう。
『この禁止原則を守っていれば親の不条理な禁止令に従わなくても良い』
という作用を持つ禁止令のことであり『親の自我状態』から『子の自我状態』へと与えられるものである。
拮抗禁止令とは、理想的な成果や自己を目指して完全主義的な努力(向上)を続けよ、という内容の命令になっている。
ミニ脚本の拮抗禁止令には、
ドライバー(driver)
ストッパー(stopper)
ブレーマー(blamer)
ディスペア(dispair)
の4種類がある。
◆【ドライバー】
他人に尽そうとする「駆り立てるもの」とも言い、ミニ脚本の第一段階。
拮抗禁止令(完璧にしろ・満足させろ・努力しろ・強くなれ・急げ)を発し、これによって精神的に働きかけること。
ドライバーというのは
『人を駆り立てる命令・指示』の事であり、実力以上の高い目標水準の達成を要求して
『完全で理想的な自己』になる様に命令するという特徴を持つ。
ドライバーの具体的な命令の内容としては、自分を犠牲にして他人を喜ばせる生き方が正しいとする価値観を含んでいる。
小さな失敗や短時間の休養も許さない『ドライバー』の完全主義欲求が強まると、人間は絶えず目標を達成しなければならないという強迫観念に駆られて精神的に追い込まれやすくなる。
※ただし、この行動、考え方が行き過ぎると他人を犠牲にしてしまう事になる。
ドライバーの高度な要求に何とか応えられていれば、
『I'm OK(私は良い)』の自己肯定感や人生の達成感を得ることができるが、その高い目標を達成できなくなると挫折感や抑うつ感によって身動きが取れなくなってしまうことがある。
ドライバーの拮抗禁止令による悪影響を緩和するために必要なのは、自分の能力・体力・意欲を超えた『ドライバーの高過ぎる要求水準』を適度に引き下げることであるが、
★その為に必要なのがドライバーを抑制する『アロウアー(allower)』の働きである。
ドライバーは『駆り立てるもの』であるが、アロウアーは『許すもの』としての作用を持ち、人間はドライバーとアロウアーの適切なバランスを維持することによって、
自分の能力・状況に見合った目標水準を設定して、ありのままの自分を肯定できるようになる。
アロウアーはドライバーの完全主義・理想自我を抑制する働きをするが、
その具体的な
命令・指示の内容は以下のようなものになる。
完全な自分であれ(ドライバー)⇒完全でないでそのままの自分でいい(アロウアー)
急げ⇒急がなくても自分のペースでいい。
もっと努力せよ⇒1つ課題を達成したら少し休もう。
他人を喜ばせろ⇒自分のことを大切にしなさい。
もっと強くあれ⇒つらい時には弱くてもいい。
◆【ストッパー】自分を犠牲に
ドライバーの拮抗禁止令に対応しきれなくなると、次はこの「ストッパー」が起こります。
ストッパーにもドライバーと同じ様に、
楽しむな・愛されるな・幸せになるな・自立するな、という4つの禁止令があります。
◆【ブレーマー】責任転嫁
ストッパーの禁止令が自分に対してではなく、他人に対して感じるようになることが「ブレーマー」です。
◆【ディスペア】絶望や落胆
他人に尽そうとする「ドライバー」そのために自分を犠牲にしようとする「ストッパー」
責任転嫁の「ブレーマー」これら三つが相互作用すると起こるものです。
自分犠牲⇒責任転嫁⇒絶望や落胆
拮抗禁止令 ドライバー急げの解説
・一つの事にじっくりと取り組めない 、いつの間にか早口になっている。
・話を最後まで聞けず、つい補足したりさえぎったりしてしまう。
・結末が気になって、本の最後をはじめから読んでしまう。
・一番早くできたことに優越感を味わう 子どもの頃、養育者から繰り返し「急ぎなさい」
「テキパキしなさい」など と言われ続けると、大人になってもいつもセカセカしている。
話を聞いてい る時でも時間を気にして時計を見ているため
「早く話を終わらせろ」とい う意味に誤解されがち。
本を読んでいる時でも、次は何をしようかと考えている事がある。
じっと静かに待つことが苦手で、何かをしていないと落ち着かない。
いつも焦って、早めに仕事を進めるが、じっくり検討する時間を惜しむため ミスが多くなりがちに
なる。